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以前、北朝鮮の金英男とその家族の面会について感想をこのブログで書いた。
 その時、切り札というものは、出すタイミングが重要で、タイミングを間違えれば、効果がないばかりでなく、出した方が災禍を負うハメになることもある、といったことを書いた。
 そして、北朝鮮が今度はミサイルを7発も発射した。このタイミング、一体北朝鮮にとって起死回生の打開策となるだろうか、それとも墓穴を掘ることになるのか。

 アメリカの独立記念日だった、はご愛嬌としても、問題は何と云ってもサミット開催前だ。
 国際社会の注目を集め、一気にアメリカとの直接交渉に持ち込めれば、北朝鮮の思惑どおりなのかもしれないが、下手をすれば中国とロシアを外交上の窮地に追い込み、北朝鮮は、大事な後ろ盾を失う可能性さえある。
また日米を初めとする国際社会からの、より一層の厳しい制裁をも覚悟しなければならないだろう。
今のところ、中国もロシアも少なくとも表面上は冷静に対処しているようだが、事態の収拾策が日米のペースで進むのを嫌っている部分もあるのだろう。

ミサイル発射が北朝鮮にとって最強の切り札であることは間違いないだろう。だからこそ切るタイミングを間違えると、その反動も大きい。北朝鮮の方が深刻な痛手を負う可能性だって十分にあると思うのだ。このタイミングに、この桶狭間的暴挙、はたして北朝鮮の命運やいかに。
中国とロシアが北朝鮮をかばいきれなくなる事態も予想できる位の危険な賭では。しかし、体制崩壊の危機を脱し、国家体制を維持するためには、国内外に対してこんなショック療法が必要なほど北朝鮮の危機的状況は極まった状態にあるということか。

ライス国務長官が「北朝鮮の意図は解らない」と話すほどの事態(日経新聞)だ。しかし、軍部の暴走、という説には安部官房長官が否定的な見解を示しているようだ。
テレビでは、コリアレポートの編集長が、金正日と軍部は一心同体だと話していた。だから金正日の指示がなければ、軍がミサイルを発射することはない、と。
一心同体ということは、金正日は軍部を完全に掌握しているということなのかもしれない。しかしだ、一心同体なんだから、逆に軍も金正日を完全に掌握しているといっても、別に矛盾はないかもしれない。多少レトリックを弄ぶような言い回しになっているのは十分承知している。
要するに、今回のミサイル発射は軍部の独断専行ではないにしても、金正日の決定に軍の意向が強く反映されている可能性は十分にあるのではないかということだ。
ミサイル発射が軍部の暴走ではないにせよ、体制内での軍部の影響力は強大なものではなかろうか。だからあえて暴走などする必要がないだけのことではないだろうか。

軍部の強硬派の暴走ではないとしたら、何故北朝鮮はミサイルを発射したのか。
ミサイル発射を北朝鮮のしたたかな外交戦略であると同時に危険な賭けでもあるが、私にはまた、非常に稚拙な国力の誇示にも思える。
そしてこうした、誇大で稚拙ながらも派手な、示威行為を繰り返す国家体質は、軍事独裁国家に特有のものではないだろうか。
私には、北朝鮮のミサイル発射は、したたかな外交戦略と、引くに引けない状況で打って出た危険な賭け、また軍事国家特有の稚拙で誇大な国力のデモンストレーション、そうした相反する要因のグロテスクな混交物に見えるのだ。だから真意が読めない。

アメリカは北朝鮮の存在を問題視しながらも、体制が崩壊し第二のイラクと化することを恐れていると云う。また中国は中国で、北朝鮮への影響力の行使を対米外交のカードとして利用している。つまり双方とも当面は北朝鮮を(活かさず殺さず)の状態にしておきたかったのでは。そして北朝鮮は日米双方の奇妙な利害の一致が作り上げた平衡状態の間で国家体制を存続させてきたのではなかろうか。

 しかし、こうした平衡状況が北朝鮮にとっては、一種の閉塞状況に変質してきた。結果、北朝鮮みずからがその平衡を大きく揺るがす行為に踏み出した。
 と、まぁそんな構図なのかなと・・・。




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